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最後の講義・福岡伸一

 

知ってました?

食べ物が自分の体でどう使われるか。

 

 

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私は車のガソリンと同じで、

生きるためのエネルギーとして使われ、

燃えカスは二酸化炭素やふんや尿になって

捨てられると考えていました。

 

でも、福岡先生によると

「食べ物を食べるということは、

 自分自身の体を入れ替え、

 作り替えているということ。

 だから、

 一年前の自分は別人だ。」

というのです。

 

髪の毛や爪・皮膚は実感できますが、

体のあらゆる部分、

内蔵・骨・脳・細胞など

配置は変わらなくても

中身は入れ替わっているのだそうです。

 

わかります?

 

 

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だから

「個体だ」と思っている自分の体は

少し長い時間軸で見ると、

絶え間なく流れている流動体であり、

ミクロなプラモデルみたいな部品で

できている機械的な物ではないのだとか。

 

 

そこで、

福岡先生は

常に動いていることを「動的」

絶え間ない流れの中で

常に合成と分解が

バランスをとっている

ということを「平衡」と呼び、

「動的平衡があるから

 生命が生命たらしめられている」

と言ったのです。

 

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現在では

機械的な生命観が主流になっていて、

局所的に問題が発生すれば

そこだけを取り換えればいいと考えます。

 

でも、

先生の提唱する

「動的平衡」の考え方によると、

全ての部品は

相補的に関係しながら広がっているので、

どこか一部を切り出してくることは

出来ないのです。

 

「動的平衡」は、

まず自分自身を壊して、作り替える、

それを同時に起こすことができる、

ということで、生命の本質です。

 

そのようなことは

AIには理解できないし、

できないことなので、

AIが人間の知性を超えることは

絶対にないと力説されています。

 

 

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では、

なぜ医学も産業も

機械定な生命観で進み、

動的平衡の生命観が主流になれないのか。

その理由は「もうからない思想」だから

資本主義の考え方に合わないのだそう。

 

 

「生命とは何か?」と問われたら

「動的平衡にある流れである」

と答えると福岡先生は言います。

 

 

だから細胞も生命。

その集まりの私たちも生命。

人間社会、国、地球全体も

一つの生命体と言えます。

 

 

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その地球上で起きているコロナウイルス。

なぜ今なのでしょう。