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一年前の自分は別人だ

 

絶え間ない合成と分解によって、

食べ物の原子や分子と、

自分の体の中身は

交換されています。

 

爪、髪の毛、皮膚の交換は

想像しやすいですよね。

 

 

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でも

体の中のあらゆる部分は

例外なく入れ替わっているようで、

その中でも

一番早く入れ替わるのが、

胃、小腸、大腸などの

消化管の細胞だそうです。

 

それらの表面の細胞は

だいたい2~3日で分解され、

捨てられます。

 

そして、

食べ物の原子や分子によって

合成された新しい細胞が

消化管の細胞を作っていくのだそうです。

 

 

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うんちの主成分

食べカスではなく、

「分解され、捨てられた細胞のカス」

なんですって。

どうりで少ないと思ってました。

 

 

そうして、

数カ月もたつと

相当な部分が入れ替わり、

一年前の私と

今日の私では

ほぼ別人になっている、

というのです。

 

 

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「ゆく川の流れは絶えずして、

 しかも、

 もとの水にあらず。

 淀みに浮かぶうたかたは、

 かつ消えかつ結びて、

 久しくとどまりたるためしなし。」

 方丈記

 

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生物学者の福岡伸一先生の

「最後の講義・完全版」という本をもとに

これを書いています。

 

 

私は

自分の体は個体だと思っていました。

 

しかし、

先生によると、

「少し長い時間軸で見てみると、

 私たちの体は絶え間なく流れている

 流体なのです。

 流れ去るとともに、

 作り替えている。」

のだそうです。